人は見た目が9割なんて本が一世を風靡していたときがありましたが、
何を隠そう実はワインも見た目が8割というのをご存知でしょうか?
ワインを味わうときに視覚から受け取る情報が80%、
残りの20%が嗅覚・味覚・触覚といわれています。
それを体言するかのように、黒いワイングラスというのが販売されています。
国際規格で作られた小ぶりのテイスティンググラスを真っ黒にしたブラインドテイスティング用のワイングラスなんですが、この造りの本気度合いがものすごい。
ガラスの素材自体に黒色を練りこんで製造されているので色落ちの心配もなく、はがれた塗装が液体の中に混入する危険もないように作られています。
黒というより漆黒!
「色のヒントは一切もらしません!」という意気込みを強く感じるグラスになっています。
なのでお値段も気合が入っていて少し高い。
だいたい3000円前後なんですが、
3000円のワイングラスってなかなかグレードの良いグラスが買えてしまう値段です。
(透明の国際規格のテイスティンググラスはおおよそ600円くらいです)
ちなみに、このグラスは第7回全日本最優秀ソムリエコンクール決勝のブラインド・テイスティングのときにも使用されており、
今ではテイスティング用のグラス以外の形状や、様々なグラスメーカーから出ている定番のものになってきました。
さすがにフルボディの赤ワインとフレッシュな白ワインはタンニンの違いでわかると思いますが、
白ワインとロゼワイン、ロゼワインと赤ワインなど色味が近づくと一気に難しくなります。
日本のトップに位置するソムリエでさえ色の情報がない状態で赤白ロゼの微妙な違いの判断には困難を極めるほどです。
白ワインと赤ワインでも、
樽がどっしり効いた白ワインには樽に含まれるタンニンが溶け出しており、黒ブドウから造られた白ワインにもわずかなタンニンを感じることができます。
果皮にしっかりと漬け込まれてつくられた白ワインにも特有の渋みが感じられるものがあります。
反対に、赤ワインの中にもタンニン少ない品種でフルーティーに作られた赤ワインや長い熟成を経てタンニンが溶け込んで滑らかになっているワインがあります。
一番わかりやすそうなタンニンのテクスチャー(口の中に含んだときに感じる質感)しても、なかなか判断が難しい。
色ひとつとってもそうですが、視覚や見た目というのは色だけでなく、
サービスやお店の内装、雰囲気、環境、一緒に過ごす人も含めて視覚で感じています。
「視覚」ひとつとっても置くが深いですね。
遊び道具にしては少し高い値段のグラスですが、
年末年始に自宅に集まる家族や友人とハナシのネタに楽しんでみるのも一興です。
ワイン好きの人へのちょっとひねったクリスマスプレゼントにも良いかもしれません。