ワインを美味しく飲む簡単テクニック
その②デキャンタの特性を生かす
前回ご紹介したお手軽デキャンタージュお試しいただけましたか?
今回は容器の特性にフォーカスしてお話をしたいと思います。
ワインをデキャンタージュをする目的は大きく分けて2つ
1.瓶の底に溜まった澱を取り除く
2.空気に触れることで酸化を促し、味わいや香りを引き立たせる
まず1.瓶の底に溜まった澱を取り除くについて
瓶底に澱があるようなワインはグラスに注ぐ際、その振動で澱が舞うことで味わいが損なわれます。
その防止としてデキャンタへ移しかえることで澱を除き最後まで美味しく楽しめます。
つぎに2.空気に触れることで酸化を促し、味わいや香りを引き立たせるについて
タンニンが目立っている(強く舌の上できしむ)、香りがあまり感じとれない、アルコールの香りが先にくるなど、突出してでてくる味わいに好感を抱かない場合に使うと全体のバランスが整ったり香りを感じ易くなります。
この2点をふまえて、容器を選ぶときのポイントはずばり!
注いだときに「どのくらい空気に触れる容器なのかどうか」がとても重要なポイントになります。
容器に注いだときに
・液面の面積が広い→空気に触れ易く酸化が早め→長期熟成のフルボディ≒高級ワイン向け
・液面の面積が狭い→空気に触れにくく酸化少なめ→澱だけ取り除きたい、バランスを良くしたい≒カジュアルワイン向け
といった特徴を持っています。
高級ワインは比較的澱が沈殿している可能性も高く、香りが開くのに時間がかかるものが多い為、面積の広いなんだか仰々しい形のデキャンタージュを使うことが多いです。
デキャンタージュは高級ワインにしか使わないテクニックだと思われやすいのはこういった特徴にもあります。
カジュアルワイン(1000~2500円くらい)は空気に触れすぎてしまうと酸化が進み酸味が目立つようになる、香りがなくなってしまうことで味わいが薄っぺらくなることもあるので空気に触れすぎないようにだけ注意が必要ですが、
軽くデキャンタージュを行うことで美味しく楽しめるワインもたくさんあります。
味わいの変化はとても感覚的な要素なため変化を感じる度合いや好みも人によって違いがあるもの。
まずは前回紹介したテクニックで何度も試して変化を感じてみてください。
デキャンタージュの特性をふまえれば専用の容器を使わずに手元にあるものでもそれぞれの特徴にあわせて使いわけることもできますし、
デキャンタの購入を考えている方は高いものを1つ購入するよりも形状の違いで2種類用意すると楽しみ方がぐっと増えるのでぜひ取り入れて欲しいワインテクニックの1つです。
では次回、澱のあるワインの作法についてご紹介したいと思います^^